実は、最初から海外で仕事をしたいと強く思っていたわけではなかったんです。弊社のグローバル展開は、ビジネスチャンスを求めたというよりは、「人との縁」と「現地への貢献」という純粋な思いからスタートしています。
きっかけは、ある県外の仕事仲間がカンボジアで建設分野、特に地盤改良のビジネスを始めようとしていたことです。彼にたまたま会う機会があり、「自分も外の世界も見てみようかな」という軽い気持ちで、2019年11月に初めて現地を訪れました。
短期間の滞在でしたが、ほぼ観光はせず、ひたすら様々な人と会いました。その結果、現地で「ここで仕事がしたい」と強く感じたのがきっかけでした。
インフラが整っていないから弊社の技術を現地で活用して売上を上げようという発想ではなく、「この地域に住む皆さんのお役に立てそうだな」と感じたからなんです。現地の方と交流する中で、「助ける」という上からの視点ではなく、「一緒に何かお手伝いできないかな」という思いが強く湧いてきたんです。ただ、やっと想いが沸いて来た中で、帰国しなければならなかったため「モヤモヤ」が残りました。その「モヤモヤ」を解消するべく、翌月12月には単身でカンボジアへ再訪していました笑
↑サッカー場オーナー(左)との写真
その後、国内で、すでにカンボジアでODA案件(国道の改修事業)に参画していたある会社さんと縁が生まれ、技術者を派遣する計画も具体化しました。2020年2月には技術者を連れて下見まで行ったのですが、ちょうどコロナが本格化し始めた時期と重なって弊社から技術者の派遣は断念してしまったんです。あの時は非常に悔しかったですね。
ですが、海外へ行けない約2~3年の間も、その会社さんとの交流は途絶えることなく継続していました。この継続的な「人との繋がり」が結果的に、5年越しで現在進行中のプロジェクトへと繋がっています。
今の事業展開はカンボジアが中心です。直近半年間で大きな実績を挙げることができました。
一つ目は、今年の2月から動き出し、9月に無事完成したカンボジア・シェムリアップでのサッカー場建設です。これは建設会社としてではなく、発注者である日本人オーナーのクラブチームの思い描くものを実現するために、プロジェクトマネージャーという立ち位置で関わりました。これは、プレミアリーグに所属するチームのための練習場や地域アカデミー向けの人工芝のサッカー場です。
↑カンボジア・シェムリアップに建設された人工芝のサッカー場
二つ目は、現在進行中のプロジェクトです。首都プノンペンで、AI自動車教習所の教習コース建設を建設会社として行っています。これは非常に短期の工事で、工期は4ヶ月間、広さは1,2万平米ほどあります。
その先はまだ明確ではないですが、常に次のプロジェクトを仕込むために先回りをして動いています。実は、先ほどのサッカー場のオーナーの壮大な構想の続きで話されていたのがスタジアムを中心とした街づくり、なかでもカンボジアでは唯一無二の別荘建設したい!という計画です。最終的には、病院や大学、遊園地を含む「街」を造るという壮大な構想を語っています。どこまでやれるのか?など考えると今から楽しみです。
短期的な目的に関しては、現在行っている教習所のプロジェクトのように、発注者様のご意向を叶えるということが、第一の目的ですね。この教習所は、カンボジア人を日本仕様のドライバーとして育成し、日本に送り出すという目的があり、これは日本国内のドライバー不足解消のみならず、結果的に現地の方の雇用にも繋がります。
また、海外展開全体の「上流の目的」と言えば、やはり、私たちが持っている技術を使ってカンボジアの国に貢献したいという思いがあります。
例えば、毎年発生する大雨による洪水の被害を防ぐための河川堤防を造る技術の提供だとか。また、現地のアナログな建設施工に対し、弊社が国内で培ったデジタルを用いた施工技術を提案し、現地の建設を支援していくということも目指しています。
海外事業は国内より別の意味で難易度が高い分、一つ一つ困難を乗り越えて、何か一つでも成し遂げることが出来ると日本では感じられないまた違った大きなやりがいと達成感を感じる事ができます。しかし、そこには多くの苦労や壁が存在します。
最大の壁は「価値観の違い」です。ゴミ拾いや時間厳守、逆算思考といった日本人の常識が現地では通じず、それを理解してもらうのは非常に大変です。日本でストレスなく当たり前に進むことがそこでは全く進まないってことはざらです。いつもの当たり前は通用しません。
また、技術的なミスマッチも課題となります。例えば、日本で省人化のために進めるデジタル化を、現在から将来にかけて十分な労働力を有するカンボジアのような国にそのまま持ち込むと、現地のニーズに逆行し、彼らの働く機会を奪うことになりかねません。
こうした経験から、現地への貢献には「現地での気づき」が不可欠だと感じています。私たちが「よかれ」と思ったことが、かえって現地のコミュニティの絆を阻害し、彼らの幸福度を下げてしまうこともあります。
だからこそ、現地の文化や幸福を尊重し、「真のサポートとは何か」を常に考え続けることが、この事業の大きな貢献につながると信じています。海外では日本の常識や自分の信念を持ちつつも「郷に入っては郷に従え」の精神が基本であり、我々も日本国内以上に柔軟に対応して自身が変わっていかなければ、単なるお節介で終わってしまうのです。
カンボジアでの事業を継続しながら、常に次のプロジェクトを仕込むために動いています。カンボジア近隣のアジア地域では、タイやベトナムは比較的に成熟しているため、まだまだこれから発展する国、例えばミャンマー、ラオス、バングラデシュなどでお仕事ができる可能性を模索しています。ただ、政治情勢や通貨の問題など、現実的な課題は山ほど検討しないといけません。
また、偶然の縁から大洋州の国々(例:トンガ、ミクロネシア)ともお付き合いがあります。つい先日もミクロネシアへ重機を寄贈させていただきました。これらの地域もインフラが整っておらず、支援が必要な場所です。
ただし、ここで重要なのは、あくまで会社の事業の主たる骨は国内の建設工事であるということです。海外展開は、高知県内における地域のインフラ整備に代表されるような国内事業を最優先した「プラスアルファのチャンネル」として位置づけ、バランスを保ちながら進めていかなければならないと思っています。
↑ミクロネシア連邦チューク州へ、重機(バックホウ)の寄贈式
↑ミクロネシアの現地の人とのチャットのやり取りを見せる大場社長
若い皆様に、今最も強くお伝えしたいことがあります。
それは「自分の常識が通用しない場所へ、勇気を持って飛び込んでほしい」ということです。
なぜなら、人生は「判断の連続」そのものだからです。居心地の良い場所(コンフォートゾーン)に安住し、自分の小さな物差しだけで判断していては、そこで成長は止まってしまいます。
目的は観光でもビジネスでもぜひ、県外へ、そして世界へ。あえて自分と全く異なる価値観を持つ方々の中に飛び込み、その声に深く耳を傾けていただきたいと思っています。
特に海外では、これまで信じてこられた「常識」が「非常識」であるという、強烈なインパクトが待っています。その衝撃的な出会いこそが、他人に流されない確固たる「自分の信念」と「判断基準」を鍛え上げてくれるのです。
福留開発は、皆様がその「殻を破る」ためのグローバルな舞台があります。未知の価値観との衝突を恐れず、それを成長の糧に変えて突き進んでいく。そんな皆様の熱意ある挑戦を、私たちは心からお待ちしています。